kokoで暮らす人
2024.11.27
40代 3LDK 55平米 犬一匹 居住地域:広島県の山間部 -前編-
暮らす人: Kさん / 建築家: 田中健二(以下 T) / 聞き手:兼永みのり(以下 M)
M:こちらに伺うのは、一年前の取材以来ですかね?
K:そうですね。私がここに引っ越してから3ヶ月ほど経った頃だったと思います。
M:確か、あの頃はまだミニョンちゃん(犬)が…
K:仕事に行く前に実家へ預けて、帰りにまたピックアップして…みたいな感じでしたけど、今はもうここの生活にもすっかり慣れて一緒に暮らしています。
M:では、愛犬ミニョンちゃんも交えて、お話を伺っていきます!どうぞ、よろしくお願いします。
K:はい。よろしくお願いします。
家を建てることにしたきっかけは?
M:早速ですが、Kさんは40代の独身女性ということで、もうそれだけで、同じ働く独身女性として聞いてみたいことが渋滞してます。まずは、どうしてひとりで家を建てようと思ったのか、そもそものきっかけから教えていただけますか?
K:それはやっぱり、勤務先の同僚ファミリーが家を建てると聞いたのが大きかったと思います。最初は「同僚もお子さんが産まれて家族ができたから、一軒家が欲しくなったんだろうなぁ…」としか思ってなかったんです。でも、だんだん話を聞いてると、私もずっと実家暮らしだしなぁ〜とか、そろそろ実家を出たいなぁ〜と、思ってきて…。そうなると、普通の賃貸?とも思ったんですが、ミニョンがいるから、なかなか賃貸だと一緒に暮らすのは難しいかな?と。じゃあ、中古を買ってリノベーションなら!と思った矢先に、同僚が「僕らは建築家にお願いすることにしたんだ」と聞いて、じゃあ、リノベと新築は違うけど、参考までに一緒に話を聞いてみようかな?と思って、同僚ファミリーと一緒にその建築家の事務所にお邪魔したんです。

ずっと、自分の人生って、何かやり遂げたことはあったかな?と思っていて…
M:では、実際に事務所を訪ねてみると…
K:はい。建築家の田中さんとも普通に「女性ひとりでも、月々の支払いで家は建てられるんですよ」みたいな話になって、「じゃあ、次の打ち合わせはいつにしようかな〜」という感じで、自分でもびっくりするくらい自然な流れだったんです。
M:そうだったんですか〜。もっと大きなきっかけがあったのかと思ってました。
K:まぁ〜、今振り返ってみると、あったと言えば、あったんです。というのも、ちょうどその頃、「自分の人生って、何かをやり遂げたことないな」という思いがあって。だったら、何か目標を立てたいな、と思ってた時期だったんです。
M:その時、おいくつでした?
K:41才です。
M:41才かぁ…。私はKさんより少し年上ですけど、同じ歳の頃は、まだのほほんと生きてました。あっ、今もあまり大きな変化はないですが…(笑)。
K:(笑)。でも私自身も当時は漠然としていて、そんなに凄く気合いを入れて!という感じではなかったんです。目標があれば…ぐらいで、そのタイミングがちょうどこの家を建てるチャレンジに繋がったという感じです。
M:いや〜、ものすごくカッコイイです。でも、自然な流れで話が進んでいくなか、実際のところ、どのくらい現実味がありましたか?
K:最初は、あれ?なんか進んでるかもしれない…と、結構、軽い感じでした(笑)。と、同時に、このまま行けるんだったら、行っちゃおう!という勢いもあったりで。逆に紹介してくれた同僚が「Kさん、大丈夫?別に無理しなくてもいいよ〜」って、心配してたくらいです(笑)。

M:(笑)。でも、女性ってね…
K:変わりたい!と思った瞬間の勢いって、ありますよね。
M:はい、わかります。
K:なので、途中から、変わっていく自分を面白がれるようになりました。
家を建てる実感が湧いてきたのは、月々の支払いが見えてからでした。
M:では、実際、家を建てるんだ〜と、実感が湧いてきたのはいつ頃でしたか?
K:ん〜、土地を探すよりも、ちょっと前かな。
T:最初にKさんとふたりでお金の話をしっかりしましたよね。だからその頃ですか?
K:あっ、そうかもしれません。
T:あの時、どこまでだったら、月々の支払いが出せるか?とか、人生観も含めて、一緒に話しましたよね。
K:そうでしたね。それで自分もなんかこう、今までの自分とか、今の自分を振り返るというか、俯瞰してみて、あ〜これだったらいけるのかな?とか、ここまでだったら大丈夫!とか、ちょっとキツいかも!というのが見えてきて…。そうこうしてるうちに、この金額でもいける!というのが見えてきて進んでいったという感じでした。なので、そこから現実味が帯びてきたと思います。
どのくらいの費用だと、私にとっての幸せなライン?
M:少し話は戻りますが、先ほど、自分の人生で何もやり遂げたことがなかったというお話をされていましたけど、実際のところ、いつくらいからなんとな〜く、そんな風に思っていたんですか?
K:ん〜、たぶん20才後半くらいですかね。実は私、二足のわらじを履いていて、会社員でもあり、絵も描いているんです。
M:画家の顔もお持ちなんですよね。
K:はい。で、描いた絵の展覧会もしたりするんですけど、ふと、展覧会の会場や描く絵は変わったりしてても、環境そのものは変わっていないな〜と、思って…。人生も劇的に変化したこともなかったので、なんかそういうタイミングがずっと欲しいと、心の中で思っていたんだと思います。
T:そんな話もいっぱいしましたよね。
K:そうですね。あとは家庭環境や家族のことなどもいろいろお話しました。
M:そっか〜、施主さん自身のことをたくさん知ることで、その人にとっての暮らしのあり方が設計にも反映されるんでしょうね。
T:やっぱりたくさんお話をさせていただくなかで、どれくらいの費用だったら、その人にとっての幸せなラインがあるか?みたいなことは、どの施主さんとも話し合います。で、そのくらいの費用だったら、このくらいの土地は行けるよね、みたいな話になっていき、Kさんの場合も話し合いを重ねるなかで、土地の大きさが決まっていったという感じです。
次回 -中編-は、いよいよ土地探しへ
